ボランティアの本質と認識に関する考察
是枝 貴志
本論文では、ボランティアに初めて関わることになった「私」の事例を紹介しながら、ボランティアの認識について考察した。
「ボランティアとは何なのか」「なぜボランティアをするのか」という問いは自身のボランティア観が確立していなければ答えることは難しいものである。しかし、実際にはボランティア観など確立せずともボランティアをすることはできる。
社会の変化につれて、ボランティアの在り方も大きく変わってきているのが現状であり、1995年の阪神・淡路大震災は、ボランティアへの社会的な再考につながったといえるだろう。その社会的な再考は、今のボランティアを考える上では重要であろう。
そこで現代におけるボランティアの実状をまとめてみた。その結果から、ボランティアは自発性を本質とする社会に開かれたさまざまな活動であるということがわかってきた。ボランティアを奉仕と捉えがちな日本では、同時にボランティア=善行という意識が出来上がっている。しかし、ボランティアが「偽善だ」と言われるも実はそこにある。周囲からの評価が後から付随し、本質を曇らせているのだ。
結論として、ボランティアの本質は自発性の結果として「精神的充足=自己満足」をもとめるものであると私は考える。
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