論文要旨

わくわく人宣言
−フィールドワークをとりいれたNPO学童保育の立ち上げ

渡辺 祥子

筆者は、小倉南区の幼稚園機能と保育所機能を兼ね備えた幼保一元化施設「きっずこくらみなみ」(以下きっず)において保育士補助として2006 年の4 月より、週に2 回ペースでの子どもたちと関わってきた。子どもたちの遊びや地域との関わり、異年齢間の関わりなどを観察している中で園長の村端氏からこんな話が飛び出した。
「学童保育を作りたい。やってみないか?」ここから、筆者の学童保育作りが始まったのである。そして、筆者が学童をつくることが決まった2006 年の6 月からは、学童の母体となるきっずの理念や方針を学ぶために、より注意深くスタッフや子どもたちの動きに注目するようになった。それと同時に学童保育の立ち上げのためにNPO 法人及び学童保育申請業務を並 行して行った。
「きっず」は北九州市ではじめて幼保一元化施設制度を導入した施設とし2004 年4 月に開設された。ここでは異年齢間の関わりを大事にし、自発的に動く子をそだてる教育・保育が行 われている。
学童保育とは主に共働き家庭・ひとり親家庭の小学校低学年の児童が放課後を過ごす場所である。近年、市区町村だけでなく私立保育園やNPO 法人がその運営に携わるようにもなっている。「きっず」はNPO 法人を立ち上げ、この学童保育を行う予定だった。筆者はその学童保育の専任スタッフとして、何の土壌もない所から学童保育の立ち上げに従事することになった。
「お前の好きなようにやれ、責任は俺が持つ」という村端氏の力強い言葉を受け、フィールドワークを学童保育に取り入れるためにはどうしたらいいのか、何が必要なのかを考え、調べ始めた。本論文では、学童保育にフィールドワークを取り入れるには何が必要なのかを考えていくのが本論文の目的である。

 

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